発明発表オーディションからの採用事例
2023/05/19 (金)
東京発明学校では、企業の開発担当者の前で、自分の発明を発表する「発明発表オーディション」を開催しております。
アイデアの良し悪しを判断し、商品化の採用か、不採用を決めるのは、社長・採用担当者です。それらの方々の前で発表してアピールできる、発明家にとっては夢のような企画です。
2022年11月19日の会の発表された作品の中で、「商品化検討」のオファーが入りました。
声をかけてくれたのは、昭和ワールドコーポレーションの遠藤社長です。
商品は「カードピック」という、財布の中のクレジットカード、メンバーズカードなどカードを取り出すためのアイデアグッズです。
革製の財布は、カードが脱落しないように、カードポケットはタイトな設計になっています。そのため、取り出そうとするとなかなか取り出せません。
そこで、発明者の小川千洋さんは、薄いPPシートを折りたたんだ構造で、一辺に取り出すための摘みを設けた構造にしました。
これでカードを包むようにして、財布のカードポケットに入れます。摘みは、カードよりも飛び出しているため、簡単に財布から取り出せるというものです。
そして、ようやく商品が完成。
4月15日に開催された、東京発明学校で商品化までの経緯をお話していただきました。その様子を動画にまとめましたのでご覧ください。
ここで注目して欲しいのが、試作段階から、量産へ移行するためのハードルの高さです。
例えば、発明者が一人で販売する程度ならば、100個程度作れれば問題ありません。しかし、企業は数千、数万単位で製造しなければなりません。この大量生産をするには製造上の制約が出てきます。
金型上の制約、製造工程上の制約、いろいろあり、「商品化したい」と話が入っても、このような制約が足かせとなってとんとん拍子に進まないこともたくさんあります。
この「カードピック」のようなシンプルな構造でも、量産となると課題が出てきます。
このような商品化の裏側もぜひ知っておいていただき、皆さんの発明にも役立てていただきたいところです。
一点、注意していただきたいのが、この商品化検討のオファーが入ってから、商品化になるまでの期間は、「かなり早い」です。金型など高額な投資が必要になれば、なおのこと時間がかかることをお含みおきください。
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