実物が完成!『イッパツ チャック 簡単袋とじ』&『スティック型掃除機用ストラップ』販売間近
2025/10/03 (金)

過去の「身近なヒント発明展」応募作品から、3作品がついに商品化されました。
発明展での出会いから実際の製品化まで、それぞれにストーリーがあります。今回の記事では、その歩みと実物完成の様子をご紹介します。
片山完枝さんの『コードストッパー』
発明学会の会員・片山完枝(さだえ)さんが考案された「巻き戻り防止糸巻きベルト」が、当会の法人会員・三陽プレシジョンさんによって商品化され、「コードストッパー」という商品名ですでに販売が始まっています。
片山さんは、以前にもビーズ手芸用の糸通し具「びーずスルー」を発明し、第25回(2021年)身近なヒント発明展に出品。これをきっかけに三陽プレシジョンさんから商品化された実績を持っています。
今回の「巻き戻り防止糸巻きベルト」は、その周辺商品として採用されたもので、手芸が趣味の片山さんならではの“日常の工夫”が生かされたヒント発明です。
パッケージも企業製品として一新され、個人販売のときとは印象が大きく変わりました。これもまた商品化の面白い魅力のひとつです。
ペットのウサギやオカメインコのおやつ袋を閉める手間から生まれたアイデア。
10年ほどお蔵入りしていた試作品を第27回(2023年)身近なヒント発明展に出品したところ、見事「100選」に入選しました。
展示会場では「チャック袋って確かに面倒!」と多くの共感を呼び、企業との協議や3Dプリンター試作を経て、ついにスマイルキッズ株式会社より商品化されることになりました。
和田さんは「便利さの裏に潜む不便さに気づける時代背景があった」と振り返り、「世界はヒントだらけ。発明は身近な気づきからワンダーランドへ続く」と他の発明者へエールを送ります。
大阪生まれの藤澤弘和さん(72歳)は、小学生の頃からサボテン栽培を楽しみ、園芸や発明に情熱を注いできました。
奥様の「掃除機を使うと手首が痛い」という声から着想したのが、このストラップです。
使わなくなったバッグのストラップとゴムを組み合わせて試作したところ、掃除機を押すとゴムの力で自然に戻り、手首への負担が軽減。両手を使いたいときにも掃除機を支えられるという優れものです。
改良を重ね、第28回(2024年)身近なヒント発明展に出品。その後、東京ギフトショーで注目され、スマイルキッズ株式会社から商品化が決定しました。
藤澤さんは「不便を解消するアイデアが形になるのは嬉しいこと。これからも身近な困りごとに挑みたい」と語ります。
実物を手にして
完成した製品を手に取ると、いよいよ販売がスタートするのだと実感します。
「ちょっとの工夫」が「大きな便利」につながる発明が、こうして世の中に羽ばたく瞬間。今後の反響が楽しみです。